うなぎのかば焼きのにおいは何故か懐かしい-うなぎに山椒|うなぎは食べず嫌いだった

うなぎは食べず嫌いだった

うなぎのかば焼きのにおいは何故か懐かしい

"昔、夏祭りの屋台でうなぎつりと云うものがあった。水槽の中にうなぎが泳いでおり,それを針で引っかけて吊り上げるのである。20センチほどの短いサオを渡される。その先に細い糸があってハリが付いている。これをうまくうなぎの体に引っかけて吊り上げるという仕組みなのであった。引っかける時にはうなぎのエラの部分を狙わないといけない。そこに引っかかれば第一段階は成功だ。でもここで気を緩めてはいけない。"
まだ勝負は始まったばかりなのである。次にしなければならないこと、うなぎを疲れさせないといけない。それでなくてもうなぎは元気がある。細いからと言ってなめてかかることは許されないのだ。すぐに吊り上げようとしても、細い糸は切れやすくできているので結果は目に見えている。そんなことをしていては、すぐに資金面で問題が起きてしまう。まず、うなぎの頭を水面から少しだけ出るようにし、直接糸にうなぎの重さが掛からなくするのだ。そしてゆっくり大きくうなぎを左右に動かしながら、空気を吸わせつつ、体力を奪っていく。
10分や20分かかろうが、そこで焦ってしまえば負けである。後は弱ってくる頃合いを見はからい、水槽の縁をつかって滑らせるようにして引き上げるのである。ここでやっと、その日の勝利が確定するのだ。長い戦いであった。そしてうなぎはどうなるか。屋台のおばちゃんがすぐに炭火で調理してくれて、「うなぎのかば焼き」の出来上がりとなる。大人たちはビール片手に子供以上にはしゃぐのであった。こんな光景も、うなぎが高級魚となってしまい、今では見かけなくなってしまった。

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